12月26日気になる記事が掲載された
12月26日の日経新聞(日本経済新聞)夕刊に、バイナリーオプション自主規制の記事が掲載されていましたね。ざっと読んだところ、前回の発表(12月13日)と大して変わらないように見えますが・・・
実は、今回発表された記事には、ある一文が抜けています。それは「High&Low禁止」に関する一文です。
(1)判定時刻の相場が投資時点より高いか安いか(中略)を予想する商品が一般的だ。
(中略)
このうち最も単純な(1)の商品は賭博との線引きが難しいとの判断から禁止する。
という一文が明記されていましたね。つまり、High&Lowを禁止するという一文です。バイナリーオプショントレーダーにとって、この内容が最も衝撃的だったと思います。
ところが、今回の日経新聞夕刊(12月26日)の記事では、何故かHigh&Lowの禁止について一切触れられていません。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
High&Low禁止の一文が削除されている
念のため、日本経済新聞のWEB版(12月26日)から全文を引用して掲載します。
FX、バイナリーオプションに自主規制案 賭博性の排除、明確に
2012/12/26 14:25
外国為替証拠金(FX)取引の「バイナリーオプション」に対する業界の自主規制案が明らかになった。
バイナリーオプションは、将来の相場の騰落を二者択一で選ぶ商品。例えば、「1時間後のドル・円レートが、現在よりも円高か円安か」を予想して投資する。予想が的中すれば、投資金額の2倍弱の払い戻しが受けられるが、外れれば投資金額はゼロになる。
バイナリーオプションは仕組みが単純で分かりやすいうえ、最低100円程度から投資できる手軽さから取引が急増している。しかし、業界内や当局から「賭博性が高い」との批判も出始めた。
金融先物取引業協会は9月からバイナリーオプションに関する作業部会を立ち上げ、自主規制案の骨子をまとめた。参加したFX会社の幹部は、「金融商品として賭博との線引きをはっきりさせること、投資家保護を徹底することなどが重視された」という。
では、今後、バイナリーオプションがどのように変わるのか。まず、開始から5分後、10分後を予測するといった超短期型の商品は禁止となり、「十分な取引期間」の設定が必要になった。また、現状では、一度購入したら結果を待つだけの商品が多いが、今後は取引期間中は常に価格が示され、自由に取引できるようになる。極めて高い払い戻し倍率となるレンジの設定や、FX会社の「総取り」となるレンジの設定もできなくなる。
投資家保護のしくみも整備される。顧客の資産などに基づき、1日あたりの取引上限や許容損失額を設定。取引にのめりこんで大きな損失を出すリスクを減らす。ユーザー全体の総取引額や総利益額も定期的に開示し、平均的な利益水準を把握できるようにする。
こうした規制案にFX会社からは「長期的な市場拡大のために必要」とする声がある一方、「最大の魅力であるシンプルさがなくなり、顧客離れが起きる」との懸念もある。規制の詳細は今年度中にまとめる方針だ。
(日経マネー編集部)
[日本経済新聞夕刊12月26日付]
引用:日本経済新聞WEB版
いかがですか?掲載されている内容をまとめると・・・
- 開始から5分後、10分後を予測するといった超短期型の商品は禁止
- 今後は取引期間中は常に価格が示され、自由に取引できるようになる
- レンジの設定や、FX会社の「総取り」となるレンジの設定もできなくなる
- 1日あたりの取引上限や許容損失額を設定
- ユーザー全体の総取引額や総利益額も定期的に開示
ご覧の通り、判定時刻の相場が投資時点より高いか安いかを予想する商品(High&Low)の禁止について、一切触れられていません。
日経新聞WEB版に、規制案をまとめた一覧表も掲載されていますが、やはりHigh&Low禁止については、一文も記載がありません。
出典:https://www.nikkei.com/money/features/26.aspx?g=DGXDZO5001655026122012ENB001
High&Low禁止以外の規制案は、前回とほぼ同様の内容です。
意図的にHigh&Low禁止の一文を削除しているように感じるのは、私だけでしょうか?
High&Lowは禁止されないのでは?
何故、今回の記事(12月26日)でハイロー(High&Low)禁止について記載がないのでしょうか?ハイロー(High&Low)禁止に関する項目は、今回の自主規制案で最も重要なポイントだったはずです。意図的に今回の記事から削られたような印象を受けます。
ここからは私個人の考えですが、もしかしたら、High&Lowは禁止されないのではないでしょうか?
前回の発表(12月13日)でHigh&Low禁止に対する反響が大きすぎて、業界も戸惑ったのかもしれません。High&Lowを禁止すれば、せっかく盛り上がったマーケットに水を注ぐ結果になり、多くの個人投資家が海外へ流出してしまうことを恐れたのかも・・・
そこで今回の記事を掲載し、High&Low禁止の一文をあえて削除し復活の布石を打ったのかもしれません。
規制「案」だから内容の変更も十分あり得る
12月13日に公表されたバイナリーオプション規制の内容は、あくまで「案」です。一般的には「案」から大きく変更があることは少ないですが、「案」だからこそ、追加変更があってもおかしくありません。
High&Low禁止に対するネガティブな反響が大きすぎて、金融先物取引業協会も驚いたのかもしれませんね。
(このままでは、バイナリーオプションの市場が縮小してしまう!)
(まずい!)
と思ったのかもしれません。そこで、あえてこの時期、12月26日にHaigh&Low復活の下準備をしたのかも・・・
・・・うーん、私の考え過ぎかもしれません。単に、日経新聞の記者が見落としたか、単純に書き漏らしたという可能性もありますね。もしくは、High&Low禁止は「ほぼ」確定事項だから、あえて書く必要はないと判断したのかも。
High&Low復活のシナリオは?
ここからは、High&Lowg復活するという(超楽観的)予測で、今後のシナリオを考えてみましょう。
もしも、High&Lowが禁止されないことが決定されれば、年明けにもその件が発表されるかもしれません。2013年3月末までに、まだまだ二転三転する可能性がありそうです。
最終的には、現在の超短期High&Lowではなく、中長期的High&Lowとしてルール改定されたものが承認される可能性もありますね。
5~10分の超短期ではなく、30分~1時間~4時間~24時間などの中長期的な予測をベースとしたHigh&Lowです。
さらに、レンジ外での総取りや作為的な完売が禁止された公平性のあるHigh&Lowとして復活する可能性がありそうです。
今後も、業界の動向に目が離せないですね。