南アフリカランド通貨が歴代最安値を更新
トルコリラ通貨の低迷に加え、2020年4月4日に南アフリカランド通貨が歴代最安値を更新しましたね。
上のチャート図はZARJPY(南ア円)です。そしてZARUSD(南アドル)チャートがこちら。
ムーディーズが南アフリカ国債を「ジャンク級」へ格下げ
ムーディーズによる南アフリカ国債の格下げ決定(Baa3→Ba1)が引き金となり、歴代最安値を更新するに至りました。Baa3からBa1へと格下げした理由は、財政の弱体化、そして経済成長ののりしろがゼロに近い点です。
「Ba1」というランクは、ジャンク級です。つまり、投機的等級(投資不適格)を意味します。
また、新型コロナウィルス感染拡大によるナショナル・ロックダウン(2020年3月26日発動)・国境封鎖も影響しています。
非常に厳しい状況が続いていますね。
南アランド円が「5.67円」←誰が予想した?
それにしても南アフリカランド通貨が対円、対ドルともにここまで下落するとは、誰が予想したでしょうか?
高金利通貨としてスワッパーに人気のあったトルコリラ通貨、そして南アランド通貨。もはやどちらもカントリーリスクと表裏一体の「投資不適格」通貨になってしまいましたね。
そういえば、南アフリカランド通貨も、池辺雪子さんおすすめの通貨でしたね。
そろそろ目を覚まそう
為替変動(下落)リスクが顕在化した新興国通貨。
トルコ中銀(TCMB)がさらなる政策金利の緊急利下げ(10.75%→9.75%)をおこなったのは、2020年3月17日。
そして南アフリカ中銀(SARB)が大幅利下げ(6.25%→5.25%)を行ったのは、2020年3月19日。
それでもまだ高金利通貨としての魅力を感じますか?
もはや「新興国通貨でスワップ金利でウハウハ!」という時代は終わりつつあるのです。そろそろ目を覚ましましょう。
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高金利通貨の末路…
通貨の下落とともにナンピンしていけば、誰でも容易にスワップ金利を稼げていた時代がありました。しかし、ここまで通貨が下がってしまえば、ポジションの含み損がスワップ利益を上回ってしまうことになります。
長期でスワップ投資をしている投資家ほど影響を受けます。いくらナンピンを続けていても、通貨の下落速度が早ければ、含み損のマイナスを相殺しきれません。
もちろん、通貨の暴落時に仕込むというアイデアもありますよね。これ以上の下落はないだろうと予測し、新興国通貨(たとえば南アランド円など)をしこたま買い込む。もしかすると今後の情勢次第では上がるかもしれません。しかし…
通貨の下落リスクによるロスカットリスク。そしてさらなる利下げリスクによるスワップポイントの低下リスク。どちらの可能性も否定できません。それらリスクを取って、わずかな可能性に賭けるというのもアリでしょうね。ただ、それは投資というよりは投機ですよね。
チャートを見て、よーく考えましょう。