通貨ペアの表示順番には世界共通のルールがあるって知ってた?
FXを始めると日常的に目にすることになる「通貨ペア」。
FXを始める前ならば、ニュースなどで「1ドル=110円17~21銭で推移しています。」などと聞いたことがありますよね。でもFX投資に取り組み始めると、「通貨ペア」というはじめて耳にする言葉と遭遇します。
通貨ペアとは2つの通貨の組み合わせですよね。
なにげなく使っている通貨ペアですが、実は記載方法にルールがあるって知っていました?
ちょっとした豆知識ですが、知ってると自慢できるかも…
通貨ペアの表示ルールとは?
主軸通貨と決済通貨
通貨ペアって2つの通貨を並べますよね。USD/JPYとかEUR/GBPとか…
通貨ペアにおいては、左側に表示する通貨を「主軸通貨(or基軸通貨)」と呼び、右側に表示する通貨を「決済通貨」と呼びます。
例えば、USD/JPY(ドル円)ならば、
- 主軸通貨=USD(米ドル)
- 決済通貨=JPY(日本円)
となるわけですね。
左側が主軸通貨、右側が決済通貨。これは、そういうものなんだと覚えてください。(金融業界における主軸通貨、決済通貨の意味とは異なります。)
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序列の高い通貨を主軸通貨(左側)として配置するというルール
各国の通貨には予め決められた序列(順番)があります。世界の主要通貨の序列は以下の通り。序列といっても通貨の強さや国の大きさなどは関係ありません。慣習のようなものです。
そして、通貨ペアを記載する場合は、2つの通貨を比べて序列の高い通貨を主軸通貨側(左側)に配置するというルールがあるのです。
EURとGBPは、EURの方がGBPよりも左側にありますね(=EURの方がGBPより序列が高い)。なので「EUR/GBP」と書きます。「GBP/EUR」とは書きません。これは世界共通のルールです。AUDとUSDならば、AUDのほうが左側にありますよね。だから「AUD/USD」と書きます。「USD/AUD」とは表示しません。そしてUSDとCADならば、USDの方がより右側にあるので「USD/CAD」と書くのですね。
日本円「JPY」は、もっとも序列が一番低い通貨です。なので、あらゆる通貨との組み合わせにおいて日本円「JPY」は必ず右側に表示されます。
- EUR/JPY
- GBP/JPY
- AUD/JPY
- NZD/JPY
- USD/JPY
- CAD/JPY
- CHF/JPY
ちなみに新興国の通貨はどこに位置するのでしょうか?例えば、南アフリカランドやトルコリラ、メキシコペソなど。
これら新興国の通貨は、日本円よりも上位に序列されています。ですので、全ての通貨ペアにおいて日本円は常に左側(=決済通貨)に表示されるのですね。
- ZAR/JPY
- MXN/JPY
- TRY/JPY
金融の中心地であるイギリス(ロンドン)のポンド通貨が最高序列だったが…
通貨の並び順(序列)が上図のようになったのは、金融世界の歴史にルーツがあります。
もともとはイギリスの通貨「ポンド=GBP」が最上位に位置していたわけですね。なぜならロンドン(イギリス)こそが世界最大かつ最強の金融街だったからです。金融の中心は長らくロンドン市場でした。
オーストラリアやニュージーランドは、国旗内に”イギリス国旗”が描かれているとおり、イギリス連邦加盟国(旧イギリス領)です。だから「GBP」の次に「AUD」「NZD」が続きます。さらにアメリカもカナダも、もとはイギリス領でしたね。だからイギリスの下。
とにかく、金融の世界ではイギリスが威張っていたわけです。
日本?敗戦国だし、一番下でいいんじゃない?という感覚かどうかわかりませんが、並び順のルーツにはイギリス中心主義(ポンド通貨中心主義)という思想がベースにあったのです。
その後EU(欧州連合)が誕生し、イギリスはEUに加盟します。つまり「GBP」のさらに上の通貨「EUR」の爆誕です。結果的に「EUR」が最上位に位置することになります。
イギリスがEU離脱した背景には、EUR通貨の方がGBP通貨より上位にあることも面白くないという思いがあったのかも…プライドの高いイギリスならば、ありえなくもないですよね。