「天底チャートMT4」とはどんなFX商材か
海外フォーラムで見かけそうなカスタムインジケーター
これはなかなか面白いツールですね。海外フォーラムなどで見かけそうなカスタムインジケーターの登場です。「天底チャートMT4」です。販売元は株式会社ケンコンサルティング。最近では『Mebius バイナリーオプション/FX/日経225』というFX商材もリリースしていますね。
タイトル:天底チャートMT4 販売:株式会社ケンコンサルティング メディア:インジケーター 発売日:2017年08月21日 天底チャートMT4【公式サイト】 |
複数本のRCIとストキャスで相場の天底をビジュアル化する
「天底チャートMT4」は、長短複数本を重ね合わせたストキャスティクスとRCIの”収束”と”拡散”によってトレンド転換を捉え、転換後の「押し目」「戻り」タイミングで仕掛けをおこなう手法です。使用するインジケーターは以下の3つです。
- 移動平均線(長短)
- RCI(長短)
- ストキャスティクス(長短)
販売者によるYouTube動画も公開されています。
実際の「天底チャートMT4」インジケーターには、仕掛け・手仕舞いのタイミングで矢印シグナルが表示されます。
- 緑矢印で「買いエントリー」
- 赤矢印で「売りエントリー」
- 白矢印で「手仕舞い」
矢印が点灯するタイミング(ロジック)は、別添の『解説マニュアル』にて詳しく説明されています。
「天底チャートMT4」のロジックは100%公開されていて、誰でも閲覧することができるのです。かなり思い切った取り組みです。
1時間足を使うことで「ダマシ」を極力排除する
「天底チャートMT4」の執行時間足は1時間足です。大きな時間足でトレードをおこなうことで、ノイズによるシグナルのダマシを極力排除しようという考え方です。
完全無裁量ではないということ
矢印点灯型のカスタムインジケーターですが、完全無裁量ではありません。販売ページにも次のように記載があります。
明確な動きがでたら「緑・赤のサインでエントリー、白のサインで利確
引用:天底チャートMT4販売ページ
「明確な動きがでたら」シグナルにしたがってトレードをおこなう…つまり「明確な動き」をチャート上にて裁量判断する必要があるのです。ここでの「明確な動き」とは何を指すのか?公開マニュアル内では次にように解説されています。
チャート指標の動きにある特徴が現れたとき
複数本のRCI・ストキャス、さらに複数本の移動平均線の収斂状況そして拡散の動きなど、これらの総合的な動きを経験の中から学び取る必要があります。
オシレーター系テクニカルを複数本重ね合わせるというアイデア
「天底チャートMT4」の最大の特徴は、移動平均線、RCI、ストキャスティクスをそれぞれ複数本重ね合わせたオリジナルチャートにあります。
特定のテクニカル(オシレーター系)を複数本重ね合わせることで、相場の局面を捉える手法は古くから存在します。このブログでも何度か紹介したことがあります。
Spuds Stochastic Thread Theory(ストキャスを19本表示)
たとえば「Spuds Stochastic Thread Theory」などもそうです。「Spuds Stochastic Thread Theory」はストキャスティクスを19本重ね合わせたチャートを使います。
19本のストキャスが織りなす3種類のパターンを、その形状から以下のように呼んでいます。
- clam shell(ハマグリの貝殻)
- fishnet(漁網)
- rope(ロープ)
3つのパターン認識で仕掛け・手仕舞いをおこなうというなかなか興味深い手法です。
GMMA(指数平滑移動平均線を12本表示)
陳満咲杜さんのGMMAは指数平滑移動平均線を12本(長期6本+短期6本)表示させて相場判断をおこなう手法です。チャートを見ていただくとわかりますが、トレンドフォロー系のロジックとなります。
短期MAの帯(赤線)が長期MAの帯(青線)を抜けたタイミングで、順張りで仕掛けます。
”収斂”と”拡散”で相場を俯瞰するというアイデア
同一テクニカル(オシレーター系)を期間を変えて複数本表示させ、その収斂(しゅうれん)と拡散によって相場の局面を捉えます。天底チャートMT4も同様です。3種類のテクニカルによる収斂・拡散によって仕掛け・手仕舞いのタイミングを捉えます。
短期・中期・長期と、複数本のオシレーター系テクニカルを同時に表示させるということは、すなわち大きな流れを意識しつつトレード判断をおこなうことを意味します。MTF(マルチタイムフレーム)思考と同じ考え方ですね。
テクニカルの遅効性とどう折り合いを付けるか?
天底チャートMT4の販売ページや公開マニュアルに掲載されているチャートは、シグナルが効果的に反応しているチャートが多く、どちらかと言えば都合の良いチャートばかりと言えなくもありません。
相場がきれいな波(上下動)を描いているときは、この手のテクニカルは非常に有効でしょう。しかし、相場はそんなにシンプルではありません。もみ合い状態(ヨコヨコ)でのダマシシグナルも当然あるでしょう。
また、テクニカルには遅効性がつきまといます。テクニカルの収斂や拡散は、レートが動いた結果にすぎません。過去相場を見返せば相場の転換点を捉えているように見えても、リアルタイムではなかなかそうもいきません。オシレーター系のラインはチャートの動きに合わせて激しく変化しています。このあたりは、実際に使いつつ、時間をかけてチャート(ツール)に慣れていくしかないでしょうね。
矢印ツールとして使うよりも相場局面を捉えるツールとして使いたい
販売ページでは「明確な動きがでたら「緑・赤のサインでエントリー、白のサインで利確」などと記載されているため、「天底チャートMT4」をシグナルツール商材であると捉えるユーザーも少なくないでしょう。
しかし「天底チャートMT4」の本質は、矢印(シグナル)ではありません。ストキャス・RCI・MAを巧みに組み合わせ、視覚的に相場判断ができる点にあります。天井圏・底値圏をビジュアル的に把握し、転換後の「押し目」「戻り」ポイントを捉える。その点において「天底チャートMT4」は本領を発揮します。
「天底チャートMT4」は、裁量ツールとして活用すべきだということです。せっかくロジックも100%公開されているのです。裁量技術を磨くにはまたとない商材といえます。
「天底チャートMT4」の欠点
「天底チャートMT4」のデメリットについて触れておきます。以下の欠点が許容できない人は買うべきではありません。
1.単なるシグナルツールとして使うだけではスキル向上につながらない
矢印点灯ツールとして利用するだけでは、投資スキルの向上には繋がりません。矢印ばかりに頼ってしまうと、相場の背景を捉える能力は一向に身につきません。矢印サインをあえて消して使うくらいのつもりで取り組むべきでしょう。
2.天底を捉えることなど誰にもできない
ツールだけで天底を簡単に捉えれれば誰でも億万長者です。天底は後から見れば明確にわかりますが、リアルタイムで天底をピンポイントで捉えることは至難の業です。不可能といっても良いでしょう。相場の転換点は誰にもわからないのです。「天底チャートMT4」で天底を捉えられるなどと安易に考えてはいけません。あくまで転換点を迎えたあとの押し目・戻りで仕掛けるロジックが基本です。
3.ヨコヨコ相場でいかに「ダマシ」を排除するか?
ある程度の規模の上下動(波)を描く相場においては、優位性を発揮するロジックです。しかし、大波と小波が混在したり、ヨコヨコ状態の凪(なぎ)状態の相場では、ダマシを出しやすい傾向にあります。これらのダマシを極力排除するには、ストキャスやRCI、移動平均線の動きを複合的に分析するスキルが求められます。
1時間足でのトレードが基本となるため、ヨコヨコ相場が続けばトレードチャンスがゼロ…という日もでてきます。そこで「待つ」ことができるかどうか?忍耐力も試されます。
- 単なるシグナルツールとして使うだけではスキル向上につながらない
- 天底を捉えることなど誰にもできない
- ヨコヨコ相場でいかに「ダマシ」を排除するか?
「天底チャートMT4」の評価ポイント
次に「天底チャートMT4」の評価できるポイントです。
1.優位性の高い裁量トレード手法であり初心者にもおすすめできるロジックだ
サインツールではなく、裁量マニュアルとして考えれば、非常に興味深い商材です。トレンド転換後の押し目・戻りを拾うスタイルは堅実であり、初心者でも安心して取り組むことができます。複数本のRCI・ストキャス・MAで構成されるビジュアルチャートから相場概況を判断し、確度の高い箇所でピンポイントで仕掛けをおこなう手法を学ぶことができます。
サインツールとしてではなく「環境認識ツール」として使うことをおすすめします。
2.購入前の”ロジック完全公開”は高く評価できる
天底チャートMT4は、購入前にロジック解説を全て読むことができます。
ユーザーは事前に解説マニュアルを読み込んだ上で、どのようなロジックがベースになっているのかを完全に理解したうえで、購入に踏み切ることができるのです。これまでのFX商材には見られなかった試みであり、高く評価できます。
- 優位性の高い裁量トレード手法であり初心者にもおすすめできるロジックだ
- 購入前の”ロジック完全公開”は高く評価できる
「天底チャートMT4」総合評価
【結論】相場の天底を捉えることなど不可能だ それができれば誰でも億万長者
天底チャートMT4は「環境認識ツール」として裁量トレードに取り入れることでその真価を発揮するFX商材だ
転換後の押し目・戻りを拾うならば安全性も高く比較的容易に利益を取ることが可能であり初心者でも安心して取り組むことができる
相場の天底を捉えられたら、あなたは「神」です。残念ながら相場の天底を捉えることは不可能です。諦めましょう。
また、サインツールとして販売されていますが、サインは不要です。むしろ邪魔かもしれません。「天底チャートMT4」はサインツールではなくチャート分析ツール(環境認識ツール)として活用すべきです。相場局面を視覚的に認識できる点こそが、「天底チャートMT4」の優位点といえます。
ロジックに奥行きがあり、使い方しだいで様々なアレンジや応用が可能です。時間をかけて取り組めば、様々な化学反応が期待できる興味深いFX商材です。
- 単なるシグナルツールとして使うだけではスキル向上につながらない
- 天底を捉えることなど誰にもできない
- ヨコヨコ相場でいかに「ダマシ」を排除するか?
- 優位性の高い裁量トレード手法であり初心者にもおすすめできるロジックだ
- 購入前の”ロジック完全公開”は高く評価できる
「天底チャートMT4」を購入したほうが良い人
- 事前にロジックを理解したい人
- サインツールではなく裁量手法として取り組みたい人
- 1時間足でのトレードで問題のない人
「天底チャートMT4」を購入しないほうが良い人
- 5分足、15分足などの短期足でトレードしたい人
- 完全無裁量のサインツールが欲しい人
タイトル:天底チャートMT4 販売:株式会社ケンコンサルティング メディア:インジケーター 発売日:2017年08月21日 天底チャートMT4【公式サイト】 |