派手さのないマイルストーンFX
マイルストーンFXですが、販売ページを読むと、なかなか理想論的な話が続きます。過去の運用成績に派手さはなく、むしろ堅実なトレードというイメージを持ちます。マイナス月もあるので成績はデコボコしていますが、もともとナンピンマーチンゲールタイプではないので、出入りの激しい成績になってしまうんですね。
一般的なナンピンマーチンEAは、簡単に右肩上がりのキレイな運用曲線を描くことが可能ですが、非常にハイリスクなEAでもあります。ナンピンマーチンを採用せずに、成績を残せるということは、ロジックが優秀であることの裏付けでしょう。(過去データを見る限り、です。)
2つの通貨ペアでヘッジをするEA
マイルストーンFXのロジックを詳しく見てみましょう。
対象通貨ペアは、GBPUSD(ポンドドル)EURUSD(ユーロドル)の2通貨ペアです。この2種類の通貨ペアを1つのEAで運用(別々のロジックを採用)し、互いの通貨ペアでヘッジをしていくというEAですね。どちらか一方の通貨ペアが損失を出した場合は、もう一方の通貨ペアが利益を出して、損失を軽減・相殺することで、安定運用を狙います(あくまで理想です)。
ナンピンではないですが、同時に多くのポジションを取っていくタイプのEAですので、常に含み損を抱える傾向にあります。利益の乗ったポジションから順次決済をしていきます。
複数ポジションを取るため、損切り幅は比較的広めに取ってあるのですが、これが諸刃の剣なんですね。思惑に反してレートが戻らなかった場合、損切り幅が深いので、大きなマイナスを計上してしまいます。フォワードの結果をみていてもその傾向が顕著ですね。
フォワード成績の結果
2012年1月18日から販売されていますが、2011年10月12日からのフォワード成績が、こちらで公開されています。
- フォワード成績を見てみる
まとめると、
2011年11月 +740.4pips
2011年12月 +67.8pips
2012年 1月 ー1004.7pips(販売スタート)
2012年 2月 -263.8pips
残念ながら、出だしてコケてますね。まだ2ヶ月ですからこれだけでEAのポテンシャルを判断することはできません。少なくとも半年、できれば1年くらいの運用実績を見てみたいです。販売者さんが長期にわたって実績を積み上げていき、成績を公開し、EAの信頼を勝ち取るしかありません。今後に期待したいですね。
それからマイルストーンFXには口座縛りがありますので注意が必要です。
EAは自分で作ってこそ、その真価を発揮するもの
ここ数年のEAブームで、自動売買もようやく市民権を得てきた感がありますが、そのおかげで弊害もでてきてますね。悪質EA販売者の氾濫、間違った投資知識、EA依存などなど。過渡期において、ある程度は仕方のないことかもしれません。いずれ落ち着くでしょう。一時期金融庁がEA販売の規制に乗り出すような噂もありましたが、最近は聞かなくなりました。
このサイトでも何度も言っていますが、EAは自分で作ってこそ、価値があると思います。他人の作ったEAをいくら使っても、あまりメリットはありません。資金はなくなるし、投資スキルの向上も望めません。
投資はもっと堅実に行うべきです。
マイルストーンFXも、結局は他人が作ったEAです。ロジックが非公開である限り、ドローダウン後も継続して使い続けられるかどうか、疑問です。ロジックが公開されていれば、相場変動に合わせて柔軟な運用ができるはずです。
たとえドローダウンしても、ロジックがわかっていれば、その理由が明確になるからです。つまりそのEAの苦手な相場だということが、理解できるわけですね。そうすれば、そのEAが得意とする相場でのみEAを稼働させることができるし、パラメーターの調整で、今の相場に合わせて稼働させることも可能になります。是非、ロジックを公開して欲しいですね。
長期運用に耐えうるEAが欲しい
おそらく、ロジックを公開すると他人に真似されるとか、売れなくなる、ということを販売者は恐れているのかもしれませんが、そんなことはないと思いますよ。ロジックがしっかり解説されたEAであれば、私は必ずニーズがあると思います。そして、優位性のあるロジックを採用しているEAであれば、成績も期待できるし、なにしろ柔軟な運用が可能になります。そうすれば、長期的に成績を出せる可能性も高まります。(長期運用に耐えうるEAです)
ロジック公開EAが販売されるようになることを、今後期待したいところです。
EA販売者に踊らされないために・・・
ところで、まともなEAって本当に少ないですね。私もEAをスクラップ&ビルドしていた時期がありましたが、もし本当に使えるEAを作ったら絶対に販売なんてしません。それが普通だと思いませんか?
考えてみて下さい。FXはゼロサムゲームです。ゼロサムゲームとは、マーケット参加者の利益と損失の総和が常にゼロになるゲームのことです。自分が勝つということは、誰かが負けてるわけです。誰もがそんな厳しいゲームに参加している中で、もし仮に、優位性のあるEAを開発できたら、絶対に独占するべきです。それが最も合理的な経済行動です。
しかしながら、EA販売者にはそのような考えは微塵もありません。最初から販売することを前提にEAを開発しているからです。だから、ゴミのようなEAが増えるんですね。どうしたら売れるか?どうすればEA販売で儲けられるか?こんなことばかり考えてます。
優位性の確保されたEAをしっかりと見極める目を持ちたいですね。