【北朝鮮】仮想通貨「555億円」をハッキング
2回目の米朝首脳会談(2019年2月28日)は合意に至らず、決裂という残念な形で終わりました。その裏で、北朝鮮のハッカー軍団による仮想通貨ハッキングが行われていたという驚愕のニュースです。
奪われた仮想通貨の総額は5億ドル超(約555億円)にのぼると推測されています。
北朝鮮、仮想通貨5億ドル超奪う 国連報告独自入手
国連安全保障理事会で対北朝鮮制裁の履行状況を調査する専門家パネルが月内にも公表する報告書の全容が明らかになった。
北朝鮮が経済制裁を逃れて外貨を取得する主要手段としてサイバー攻撃を強化していると分析。
2017~18年にかけ仮想通貨交換業者への攻撃で推計5億ドル(555億円)超の被害が出たとも指摘した。北朝鮮に非核化を迫る圧力が弱まっているとの懸念が強まりそうだ。
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「コインチェック事件」は北朝鮮によるハッキングだった
アメリカや国連主導による制裁で、北朝鮮の経済は青色吐息です。そこで北朝鮮は外貨獲得のために仮想通貨に狙いを定めサイバー攻撃を仕掛けているとのこと。そしてそれは成功しています。
そして驚くことに、日本を震撼させたコインチェック事件にも、北朝鮮の関与があったと報告書に記載があるのです。
報告書に添付された資料では18年1月の日本の交換業者「コインチェック」での仮想通貨の巨額流出も北朝鮮のハッカー集団による攻撃に含めている。
コインチェック事件とは2018年1月26日に発生したNEM(ネム)流出事件のことです。被害総額はなんと580億円。
報告書の内容が事実であるならば、北朝鮮による仮想通貨ハッキング額555億円のほぼ全額がコインチェック事件(被害総額580億円)であると読み取れます。
- 北朝鮮による仮想通貨ハッキング額…555億円
- コインチェック事件による被害総額…580億円
北朝鮮によるサイバー攻撃は5回成功しているとのこと。当初からコインチェック事件には北朝鮮の関与が囁かれていましたが、当時は懐疑的でした。
コインチェック流出、北朝鮮関与か 偽装メールで攻撃
日本の仮想通貨交換会社コインチェック(東京・渋谷)から580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した問題で、北朝鮮の関与が浮上してきた。
(中略)
北朝鮮犯行説に懐疑的な見方もある。情報セキュリティーなどを手掛ける、エルプラスの杉浦隆幸代表は「コインチェックから盗み出した仮想通貨を第三者の個人口座に分散させるなど、対応がいきあたりばったりで、国家が手がけるサイバー攻撃にしては稚拙だ」と指摘。「ロシアもしくは欧州にいるハッカーが実行した可能性が高い。手口の稚拙さから国家ではなく個人のハッカーだろう」とみる。
ところが、今回のニュースでは、国連安全保障理事会の報告書が「コインチェック巨額流出も北朝鮮のハッカー集団による攻撃」であると断定しています。
経済制裁によって輸出総額の90%が禁輸対象とされている北朝鮮ですが、その裏でなんと制裁で失った額の40%近くをサイバー攻撃で外貨獲得に成功していたわけです。
北朝鮮の選りすぐりのハッカー集団のなんと優秀なこと!
極めて優秀な「北朝鮮ハッカー集団」
北朝鮮によるサイバー攻撃は仮想通貨だけに留まりません。2014年以降、北朝鮮のハッカー集団によって世界中の金融機関から1億ドル超(約110億円超)が盗まれているとの報告もあります。
北朝鮮ハッカー集団、金融機関攻撃で1億ドル超盗むー米セキュリティー会社分析
米サイバーセキュリティーのファイア・アイは、北朝鮮のハッカー集団が2014年以降、サイバー攻撃によって世界の金融機関から1億ドル(約113億円)以上を不正に取得していたとの分析を発表した。
ファイア・アイによると、北朝鮮から支援を受けているハッカー集団「APT38」は、2014年以降、11カ国、16以上の金融機関を攻撃。11億ドル以上の窃盗を試み、そのうち1億ドルは窃盗に成功したことが確認できているという。チリやメキシコ、台湾、ベトナムの金融機関やバングラデシュの中央銀行を標的としたサイバー攻撃でAPT38の関与が確認された。
北朝鮮のハッカーは「北朝鮮サイバー軍」と呼ばれる電子戦部隊です。暗号解読からウイルス作成&拡散、パスワード入手など、あらゆるサイバー攻撃を世界中に仕掛けています。もはや国策としてサイバー攻撃をおこなっている北朝鮮。その最大のターゲットは隣国の韓国です。
韓国と北朝鮮との対話が始まる中で、裏では猛烈なサイバー攻撃を韓国に仕掛けています。特に韓国国防部は最重要標的とされています。
ハッキングの手口は非常にシンプルな「標的型メール攻撃」。誰かになりすましてメール送信し、相手がそのメールを開くとPCが感染。そのPCから情報を盗み取るというものです。
米朝首脳会談も南北首脳会談も関係ありません。常時、この手の攻撃が仕掛けられているというのです。
あなたも「サイバー攻撃」を見てみたい?
最後に、余談ですが世界中のサイバー攻撃を可視化したサイトをご紹介します。
CYBERTHREAT REAL-TIME MAP
とても美しいグラフィックでリアルタイムに行われているサイバー攻撃を可視化したサイトです。見ていて飽きないのですが、これほどの攻撃が世界中で常に行われているという事実に気がつくと恐ろしくなります。
Atlas
日本をターゲットにしたサイバー攻撃を見たいならばこちらがおすすめです。
Atlasは、日本の「情報通信研究機構」が提供しているサイバー攻撃可視化サイトです。