『FXサイクルマスター』検証とレビュー
根強い信者を持つ”サイクル理論”とは?
相場には波があり一定の周期で同じ波を繰り返している…ざっくりとしていますが、これが相場のサイクル理論のベースになっている考えです。
エリオット波動などもサイクル理論の一つとして知られていますね。上昇(5波)と下降(3波)で構成される波のパターンが一定のリズムで繰り返されることをロジック化したものがエリオット波動です。
- 上昇相場(5波)…「上げ」→「下げ」→「上げ」→「下げ」→「上げ」
- 下降相場(3波)…「下げ」→「上げ」→「下げ」
外為オンラインにわかりやすい図があったので拝借します。
この手のサイクル理論には多くの信者が存在し、今なお様々な研究・検証が進められています。
今回レビューする『サイクルマスターFX』も、そんなサイクル理論をベースにしたロジックとなります。
『FXサイクルマスター』で学べること
金融占星術「星は相場の天底を知っている」
『FXサイクルマスター』のベースロジックは”メリマンサイクル論”です。”メリマンサイクル論”は、相場の周期に金融占星術を加味して予測するという”トンデモ理論”の一つとして知られています。
金融占星術とは、天体や星座の位置関係を調べ、それらが相場にどのような影響を与えるかを体系化した理論です。天体とは太陽を始めとして、月や水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星などのいわゆる太陽系の惑星です。その他にも牡羊座やみずがめ座などの位置関係から相場の行く末を予測します。わかりやすい例を引用します。
さて、少し先の話ですが2020年2~3月に山羊座の終盤から水瓶座の入り口の辺りで火星、木星、土星、冥王星がほぼ一列に並びます。これが以前からメリマン氏が指摘する“ザ・グレートリセット”の中心的時間帯です。
2019年は「リセット」に向かう要因がどんどん出現する年になるのではないでしょうか。実際、2018年もいろいろな矛盾や欺瞞があちらこちらから出ていた年でした。
「星は相場の天底を知っている」というちょっとぶっ飛んだ理論に見えがちですが、実は占星術は統計学の一つであり、緻密なデータの積み上げが理論のベースになっています。
『FXサイクルマスター』では”メリマンサイクル論”を下敷きにして相場の天底を把握するという、かつてないFX商材といえます。この時点で相当好みがわかれそうですね。
4時間足・日足・週足を使った裁量スイングトレード
『FXサイクルマスター』は長期足を使ったスイングトレードです。1回のトレード(ポジション保有期間)が数日〜数ヶ月程度という長期保有が前提となります。
以下の時間足のローソク足をカウントしつつ、サイクル(周期)をチェックします。
- 4時間足
- 日足
- 週足
サイクルを見つけることで、転換ポイント(相場の天井や底)を把握することができるとされています。そこから順張りで仕掛けます。
『FXサイクルマスター』の欠点
まず『FXサイクルマスター』のデメリットについて解説します。以下の欠点が許容できない人は買うべきではないでしょう。
”サイクル理論”は大局を把握するロジックにすぎない
サイクル理論で相場の天底がわかれば誰も苦労しません。あくまでもチャート分析のための一つの手段にすぎません。相場の大局をざっくりと捉えるためにサイクル理論を参考にする程度にとどめておいたほうが無難です。
サイクル理論の優位性はいまだ不明瞭
古くから存在し、今なお検証が続けられているサイクル理論ですが、その優位性については疑問視する声も少なくありません。特に『FXサイクルマスター』のベースロジックとなる”メリマンサイクル論”は、金融占星術を重要な要素の一つとして加味しており、どちらかといえば宗教的なニオイすら感じさせる理論です。
スキャルピングやデイトレには不向き
サイクル理論そのものが相場の一定の周期を検証することを前提とするため、それなりの期間が必要となります。つまりスキャルピングやデイトレードには不向きのロジックとなります。最低でも数日から長ければ数週間くらいの長期トレード向きの手法です。
- ”サイクル理論”は大局を把握するロジックにすぎない
- サイクル理論の優位性はいまだ不明瞭
- スキャルピングやデイトレには不向き
『FXサイクルマスター』の評価点
次に『FXサイクルマスター』の評価できるポイントを解説します。
中長期トレードが基本なので時間のないトレーダーにとっては取り組みやすい
4時間足・日足・週足をベースとした『FXサイクルマスター』は、日頃チャートを監視できない忙しいトレーダーにとっては取り組みやすいといえます。一度ポジションを建てれば、数日から数週間程度は保有することになります。
もちろん相場の急変には対応する必要がありますが、基本的にはスイングトレードとなりますので、ストレスの少ない投資が可能となります。
ビッグトレンドを捉えることができれば一度で大きな利幅を確保できる
スイングトレードなので、運良く天底を捉えてビッグトレンドに乗ることができれば、一度に大きな利幅を抜くことが可能です。中長期トレードの最大のメリットといえます。
アノマリー的なストラテジーに取り組んでみたい人にはアリかも…
サイクル理論は現在も様々な検証が続けられています。ロジカルな部分にアノマリー的な要素を加えた理論のため、ハマる人は大いにハマってしまうのでしょう。
まずはサイクル理論がどういったものか?ネットで調べれば容易に理解できます。『FXサイクルマスター』の購入はそれを知ってからでも遅くはないと思います。
- 中長期トレードが基本なので時間のないトレーダーにとっては取り組みやすい
- ビッグトレンドを捉えることができれば一度で大きな利幅を確保できる
- アノマリー的なストラテジーに取り組んでみたい人にはアリかも…
『FXサイクルマスター』総合評価
【結論】”サイクル理論”で天底を把握することは難しいと考えるべき
あくまでも相場の大局を捉えるための指針にすぎない
”金融占星術”というアノマリー的要素を加えた”メリマンサイクル論”をベースにした手法は好みのわかれるところだろう
相場には波があり一定の周期で同じ波を繰り返している=これがサイクル理論の”仮説”です。この仮説が正しければ、相場の天底を捉えられるでしょう。しかしサイクルの仮説が正しいかどうかは未だに判明していないのが現実です。今なお様々な相場(株式、商品先物、FXなど)でサイクル論の検証が続いていることがそれを物語っています。
さらに『FXサイクルマスター』のベースである”メリマンサイクル論”は、金融占星術を重要な要素とした”トンデモ理論”として知られています。まさに人を選ぶFX商材といえそうです。
サイクル理論に興味がある人以外は、手にとっても得るものは少ないでしょう。
- 中長期トレードが基本なので時間のないトレーダーにとっては取り組みやすい
- ビッグトレンドを捉えることができれば一度で大きな利幅を確保できる
- アノマリー的なストラテジーに取り組んでみたい人にはアリかも…
- ”サイクル理論”は大局を把握するロジックにすぎない
- サイクル理論の優位性はいまだ不明瞭
- スキャルピングやデイトレには不向き
『FXサイクルマスター』を購入するべき人
- スイングトレード(長期トレード)を好む人
- スキャルやデイトレをする時間のない人
- アノマリー的な理論に興味のある人
『FXサイクルマスター』を購入してはいけない人
- デイトレやスキャル手法を探している人
- アノマリー的な理論に興味を持てない人