FXプレミアムトレード15Mは懐かしい「VQ」を採用した”半裁量・半システムトレード”だ
「最新でオリジナルのインジケーターを使ったって勝てないよ〜」by作者
FXプレミアムトレード15Mのそっけない販売ページは、最近の派手で冗長な商材レターとは一線を画しますね。
「最新でオリジナルのインジケーターを使ったって勝てないよ〜」と興味深い発言からわかるように、FXプレミアムトレード15Mは既存のベーシックなインジケーターを組み合わせたシンプルなロジックが中心となります。
タイトル:FXプレミアムトレード15M 販売:株式会社アディ・インベスト メディア:PDF・インジケーター 発売日:2016年5月25日 FXプレミアムトレード15M【公式サイト】 |
「移動平均線」+「ボリンジャーバンド」+「VQ」の3つで構成
FXプレミアムトレード15Mで使われるインジケーターは全部で3つです。
- 移動平均線(MA)
- ボリンジャーバンド
- VQ
1番と2番はMetaTrader4にデフォルトで装備されているインジケーターですね。3番目の「VQ」ですが、これは10年位前に流行った少し変わったインジケーターです。
VQと聞いて「お、懐かしいな〜」と思った人は、トレード歴10年以上ある方でしょう。私も「VQなんて久々に耳にしたな・・・」という印象です。
VQを知らない人のために、少し紙面を割いて解説します。
VQと呼ばれるインジケーターとは?
VQはVolatility Quality(ボラティリティクオリティ)の頭文字を取ったものです。直訳すれば「予想変動率の質」となりますね。実際にチャートに表示してみましょう。
チャートのサブウィンドウに表示されているものが「VQ」です。オリジナルは「赤」と「緑」のラインで構成されていて転換ポイントで「矢印」が点灯します。
ご覧の通りトレンド発生時に「矢印」が点灯しラインの色が変わります。この「矢印」点灯を合図にしてトレードをおこなうインジケーターです。レンジ状態からのトレンド転換時をアラートし、トレンドの勢いを確認できるインジケーターだと捉えれば、おおむね間違っていません。
デフォルトではシグナルが若干遅くレンジではうまく機能しづらいということ、またVQはリペイントするため、過去チャートで優位性を検証する作業が面倒だったという印象が当時の私にはあります。リペイントされたシグナル(過去チャート)を見ると、最適なポイントでシグナルが出ているように見えるため、一見すごく優れたインジケーターに見えてしまうんですね。
10年くらい前(2008〜2010年頃)は海外フォーラムでも多くのVQ専用スレッドが建てられ、VQの最適パラメータを探るための議論が日々かわされていました。当時は、様々なVQアレンジインジケーターも提供されていました。
VQトレードを解説したYouTube動画もあります。
VQのパラメータをアレンジしたり、VQを組み込んだシステム、さらにはVQを使ったEA(自動売買)など、当時は様々な手法が考案・検証されました。
今でもVQを使ってトレードしている方はたくさん存在するでしょう。どんなインジケーターでも言えることですが、結局何を使おうが勝てる人は勝てるし、勝てない人は勝てません。
「待つFX」著者である”えつこさん”もVQ愛用者だった
FXプレミアムトレード15Mで使用するインジケーターは以下の3つです。
- 移動平均線(MA)
- ボリンジャーバンド
- VQ
その中でも「VQ」は最も重要な指標と位置づけられています。つまりVQをメインとした手法といえます。
VQといえば、著名トレーダーでも愛用者が存在しています。一番に思い浮かぶのは「えつこさん」です。「えつこさん」とは、書籍「待つFX」著者でもある女性トレーダー「染谷エツ子」さんのことです。
- えつこさんのブログ「えつこのFX日記~FXで家計にゆとりを~」
彼女はADXを好んで使うトレーダーですが、一時期「VQ」「ボリバン」などを組み合わせたトレードもおこなっていました。
上のチャート図はザイFXの特集記事からの出典です。ボリンジャーバンド、ADXとともにVQが表示されていますね。VQのシグナルを、ADXでフィルタリングして仕掛けるスタイルです。VQのパラメーターはオリジナルではなさそうですね。
「FXプレミアムトレード15M」の概要
寄り道しすぎてしまいました。「FXプレミアムトレード15M」の概略をまとめます。
- インジケーターは①移動平均線、②ボリバン、③VQ
- ロジックは「トレンドフォロー」
- 対象通貨ペア:GBPJPY(ポンド円)・GBPUSD(ポンドドル)
- 損切り幅:30pips(GBPJPY)、25pips(GBPUSD)
- 推奨時間帯:15〜20時(ロンドン時間)、21時〜25時(NY時間)
- 執行時間足:15分足(1分足・5分足)
- トレードチャンス:1通貨ペアにつき最大4回(各時間帯で最大2回)
- ロジック完全公開
- 時間決済(15分毎)を採用
仕掛けのルールは全部で3つ
トレード時間(ロンドンタイム・NYタイム)になったら、シグナル出現を待ちます。エントリールールは3つです。
- VQアラートによるエントリー
- MAでの押し目・戻し確認でエントリー
- MAブレイクでエントリー
仕掛けはVQのアラート、そして移動平均線を使います。もちろんフィルターはありますので、極力「ダマシ」を避けるためのロジックは用意されています。
15分毎の時間決済を採用(最大60分で手仕舞い)
15分毎の時間決済を採用している点が面白いですね。エントリー後は15分毎にチャートを確認し、利益を確保できていれば利食いをおこないます。最大60分までチェックをおこない、60分後には必ずポジションをクローズします。とてもシンプルなルールです。
販売者のブログで毎週成績を公開
FXプレミアムトレード15Mの公式サイトには毎週のトレード成績が掲載されています。
- FXプレミアムトレード(成績公開ブログ)
タイトル:FXプレミアムトレード15M 販売:株式会社アディ・インベスト メディア:PDF・インジケーター 発売日:2016年5月25日 FXプレミアムトレード15M【公式サイト】 |
「FXプレミアムトレード15M」の欠点
「FXプレミアムトレード15M」のデメリットについて触れておきます。以下の欠点が許容できない人は買うべきではありません。
1.値動きの激しいGBP(ポンド)に絞った手法であること
FXプレミアムトレード15Mで取り扱う通貨ペアは、GBPJPY(ポンド円)・GBPUSD(ポンドドル)の2つです。2通貨ペアが「推奨」ではありません。「限定」です。つまりこの2通貨ペアに最適化された手法ということです。
ご存知のようにGBPはボラティリティが高く値動きが激しい通貨です。結果的にリスクテイカーのトレーダー(投機筋)が群がることになり、それがまたGBPのボラティリティを高くしています。
ボラの高いGBPを主軸にトレードすることのリスクを認識した上で、この手法に取り組む必要があります。
2.トレードチャンスは多くない
各通貨ペア毎に最大4回、計8回。FXプレミアムトレード15Mでのトレードチャンスです。頻繁にトレードしたいユーザーには物足りなさを感じるでしょう。私は十分だと思いますが。それよりもGBP限定という点のほうが気になります。
- 値動きの激しいGBP(ポンド)に絞った手法であること
- トレードチャンスは多くない
「FXプレミアムトレード15M」の評価ポイント
次に「FXプレミアムトレード15M」の評価できるポイントです。
1.ベーシックなテクニカルを駆使した王道手法
FXプレミアムトレード15Mで使用するインジケーターはどれもベーシックなものばかりです。VQですら(言葉は悪いですが)手垢にまみれた古いインジケーターです。結局、インジケーターは4本値をこねくり回しているだけですので、形は変われど本質は同じです。ようは自分に合っているかどうか?が重要です。そんなことを理解させてくれる商材です。
2.過去の「VQ」をふたたび表舞台に出したことの功績
10年前に流行ったVQというインジケーターに、もう一度「光」を当ててくれたツールです。この商材を機会に多くのトレーダーが様々なテクニカルの存在を知ってくれれば私も嬉しいです。
海外フォーラムにいけば、驚くほど多くのインジケーター、手法(ロジック)が存在することに驚かされるはずです。英語圏ではない日本は、残念ながらFXロジックの普及において世界から取り残されています。VQだけではありません。素晴らしいインジケーターがまだまだ存在します。
- ベーシックなテクニカルを駆使した王道手法
- 過去の「VQ」をふたたび表舞台に出したことの功績
「FXプレミアムトレード15M」総合評価
【結論】「VQ」「ボリバン」「MA」というシンプルかつベーシックなテクニカルのみを使用したロジックは今のFX商材業界においては極めて”異質”
GBP(ポンド通貨)に限定した半裁量半システム手法は相応のリスクも存在する点に注意が必要だ
シンプルなトレードであるがゆえに、評価は分かれるかもしれません。ルールに目新しさはなく使用するインジケーターも無料で手に入るモノばかりです。とはいえ、トレードにおいては「勝てるかどうか」「優位性があるかどうか」が重要です。勝つためには以下の3つが大切です。
- 確率統計的に優位性のある手法に限定して実践すること
- 優位性のあるパターンが出現するまで待ち続けること
- フィードバックし常に検証を続けること
「優位性があるかどうか」は、目新しさや斬新さ、そして最新であることとは無縁です。古くからある手法やベーシックな手法にも「優位性」は潜んでいます。FXプレミアムトレード15Mは、そんな大切なことを再確認させてくれた商材です。
- 値動きの激しいGBP(ポンド)に絞った手法であること
- トレードチャンスは多くない
- ベーシックなテクニカルを駆使した王道手法
- 過去の「VQ」をふたたび表舞台に出したことの功績
「FXプレミアムトレード15M」を購入したほうが良い人
- トレードチャンスが少なくても我慢できる人
- GBP通貨をトレードするリスクを理解できている人
- 裁量判断が大いに求められることを理解している人
「FXプレミアムトレード15M」を購入しないほうが良い人
- 1日に何度もトレードしたい人
- ボラティリティの高いGBP通貨は避けたい人
- 裁量を一切入れないでトレードしたい人
タイトル:FXプレミアムトレード15M 販売:株式会社アディ・インベスト メディア:PDF・インジケーター 発売日:2016年5月25日 FXプレミアムトレード15M【公式サイト】 |