【新たな投資詐欺の温床か?】金融庁、未上場株投資のネット勧誘5月に解禁

【新たな投資詐欺の温床か?】金融庁、未上場株投資のネット勧誘5月に解禁

【新たな投資詐欺の温床か?】金融庁、未上場株投資のネット勧誘5月に解禁

クラウドファウンディングによる小口資金調達スキームを構築

日本経済新聞WEB版のニュースです。

未上場株投資のネット勧誘、5月解禁 金融庁

金融庁は5月にインターネットを通じた未上場株の投資勧誘を解禁する。不特定多数から小口資金を募る「クラウドファンディング」と呼ぶ仕組みを使い、1人当たり50万円までベンチャー企業の株式に投資できるようにする。リスクマネー供給の強化につなげる狙いだ。

金融商品取引法の施行令を改正し、5月に施行する。ベンチャー企業は1億円未満を条件に、幅広い個人から資金を集められるようになる。
クラウドファンディングは見返りを求めない「寄付型」と、対価として商品やサービスを送る「購入型」がすでに浸透しはじめている。金融庁は規制緩和で「株式投資型」の普及を狙う。
個人への未上場株の投資勧誘は日本証券業協会が自主規制で原則として禁じていた。金融庁に合わせて日証協は自主規制を緩め、ネット経由の投資勧誘を認める。
未上場企業への投資は上場すれば多額の利益が期待できる一方、倒産で価値がゼロになる恐れもある。金融庁は個人の投資額の上限を50万円までに限ることで、損失が出ても生活に大きな影響が出ないようにする考えだ。

2015/3/8 23:42日本経済新聞 電子版

大義名分は素晴らしいですね。政府主導によって、リスクの低い資金調達を推し進めることで、ベンチャー企業の活性化と個人金融資産の流動化が同時に実現できるという点においては、非常に評価できます。

見方を変えれば、ベンチャー企業への資金貸出を渋る銀行に代わって、政府が個人投資家にそのリスクを押し付けているようにも思えます。

嫌な予感しかしない「未上場株投資のネット勧誘解禁」

一口50万円(上限)とありますが、200人から集めれば1億円です。しかもネット勧誘OKとあります。IPO株のように抽選という手続きが不要なので、誰でも気軽に投資が可能です。

投資先のベンチャー企業が上場を果たせば、投資した50万円は数倍どころか数十倍に膨れ上がる可能性を秘めています。夢のある投資です。

ベンチャー企業の事業計画の将来性を個人がどこまで見極められるのか?

しかし、良い話ばかりではありません。そもそもベンチャー企業の事業計画の将来性や確実性、採算性などを、一個人投資家が見極めることは非常に困難です。事業計画には良いことしか書いてありません。当然ですね、ネガティブなことを書けば誰も投資してくれませんから。

わかりやすい業種・業態ならばまだ理解可能かもしれませんが、スマホのアプリ開発業務や、バイオ事業、エネルギー事業など、マネタイズのスキームが複雑な事業などは、将来性や採算性を見極めることは簡単ではありません。

上場前に倒産、ということもかなりの確率でありえます。投資先の企業が倒産すれば、投資資金(50万円)はゼロになります。ハイリスクな投資です。

新たな投資詐欺の温床になるか?

このスキームを使えば、簡単に投資詐欺を行なうことができそうです。

ベンチャー企業を立ち上げ、いかにも将来性のありそうな事業(スマホアプリ事業や、ニューエネルギー事業など)に着手(したふりを)します。その上で今回のクラウドファウンディングを通じて200人から50万円を集めます(上限は1億円)。クラウドファウンディングでの資金集めには当然法人の審査はあると考えられますが、行政がやることなので、けっこうザルだと思います。

その後、理由をつけて会社を倒産させてしまえば、ほぼ完全犯罪の完成です。集めた1億円は闇の中…この手の詐欺の立証は、非常に難しいと言われています。詐欺の構成要件は、全部で4つあります。

  1. 一般社会通念上、相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為をすること(欺罔行為又は詐欺行為)
  2. 相手方が錯誤に陥ること(錯誤)
  3. 錯誤に陥った相手方が、その意思に基づいて財物ないし財産上の利益の処分をすること(処分行為)
  4. 財物の占有又は財産上の利益が行為者ないし第三者に移転すること(占有移転、利益の移転)

上記の4点を全て満たすことが必要とされています。

構成要件の1番目が非常に重要です。つまり、相手をダマす意志があったのかどうか?という点です。「本気で事業に取り組んでいました!」と真顔で主張されれば、なかなか覆すことはできません。

投資家が納得できなければ裁判になり、解決まで長期化します。失ったお金は50万円程度なので、面倒だからと泣き寝入りする人もいるでしょう。

ネットを使った勧誘で、ダマされるのは『意識高い系』の人々

今回の株式投資型クラウドファウンディングは、ネットを使った勧誘が中心となりそうです。特に「クラウドファウンディング」という言葉に反応しそうな意識高い系のビジネスマンが、積極的に参加しそうな予感です。次世代の投資(クラウドファウンディング)をおこなっている自分や、将来性未知数のベンチャー企業に投資している自分に酔える人たちです。

詐欺を行なう側も、ネットを使うことで比較的簡単に投資家(カモ)を集めることが可能になります。FacebookやTwitter、LINE(LINE@)などを使って意識高い系に呼びかければ、200人程度はすぐに集まりそうです。

彼ら(カモ)が飛びつきそうな斬新な事業計画を作れば、あっという間に資金調達できるでしょう。上限が50万円というのも出資しやすさを後押ししています。

宝くじ感覚で投資するならアリかも

当たればすごい可能性、ハズレればゼロ。投資と考えずに宝くじの一種と捉えれば、楽しいかもしれません。50万円で宝くじを買うイメージです。ハズレれば50万円はゼロになります。しかし、当たればオッズ未知数です。つまり何倍になるかわからないということです。宝くじよりも夢があると思いませんか?

おそらく、ですが当たりはほとんど出ないでしょう。でも当たればオッズ未知数ですので、50万円が500万円、5000万円に化ける可能性も秘めています。投資と考えずに、宝くじであると考えれば、やっても良いかもしれません。ただし負けても文句は言わないことです。

 

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